どうも、高橋優太です。
実は私、占い師として活動をしています。
今回は占い業界について。
自分が占いを行ったり同業者に占ってもらったり、業界の中まで入ったことで分かったことがあります。
実際に目で見て体験した占い業界の実態について、そして占い業界が1兆円ビジネスまで育った理由を、自分の考察を交えてお話しいたします。
占い師としての顔
冒頭でもお話をしましたように、私は
占い師という顔も持っています。
始めたきっかけは
占いを信じていない占い師に出会ったこと。
異業種交流会のようなイベントに参加した際に出会い、彼はそのイベント主催者のひとりでした。
彼の本業は経営コンサルタント。
私も経営コンサルタントの端くれですが、私のようなスタートアップや個人事業主からの法人化のタイミングでコンサルティングをするのとは違い、彼は一部上場企業を中心にコンサルティングを行なっていました。
最初は同業でかつ自分とは若干異なる顧客を抱えていることで興味を持ち、コミュニケーションを取っていたのですが、占いを交えてコンサルティングを行なっているというキーワードが出た時に自分の中から興味ワクワクが溢れ出てしまい、そこからアプローチをかけお付き合いをすることになりました。
それが私の占い師としての師匠です。
上場企業の社長や政治家、アーティストなど、矢面に立つポジションにいてある程度知名度がある方は、決まって
裏の舵取り役を雇っています。
つまり、
お抱えの占い師がいるということです。
通常であれば政治家であれば政治家の先輩に、上場企業の社長であれば先代や会長にそれぞれ教えを乞えばいいのですが、業界の中にいては見えないことや判断できないことがあります。
そんなときに占い師にこっそり相談し、進路を導いてもらうのです。
「この案件は1年後に大きな火種となって災いを呼ぶでしょう。触らぬ方が吉と占に出ています」
「この人材は将来あなたにとって無くてはいけない存在へと成長します。あなたの魂が共鳴しているのが見えます」
一般のコンサルタントでは言えない言葉回しでズバズバと言います。
しかも、絶妙に信用してしまいそうな言い方で、更には外れても文句が言えない言い回しを使って助言します。
誰にも相談できないし相談したことが明るみになっては困るポジションの人には、決まってお抱えの占い師がついているのです。
コンサルティングができる占い師か、はたまた占いができるコンサルタントか、見え方は人それぞれかもしれませんが、私の師もまたそういったポジションで活躍しているコンサルタントです。
そんな自分のひとつ上の次元を歩いている彼を師として、私も同様のコンサル業を始めたのです。
占い師になった理由は3つ
私が何かを始める時には、決まって自分を納得させるための理由や目的を考えます。
占い師の勉強を始めたきっかけは自分のひとつ上の次元を歩いている方と出会ったからですが、
理由や目的は大きく3つあります。
1つは
自分という人間をより深く知るため。
そして2つめは
人脈形成、仕事の幅を広がせるため。
そして3つ目は
単なる興味です。
なんなら3つめの興味が多くのボリュームを占めているかもしれません。
ここでいう興味は占いの技術やノウハウではなく、業界に関する興味です。
質問件数No.1「高橋さんて何をしている人ですか?」の回や
夢を現実に、ゴール設定がない夢は単なる願望でしかないの回でも話していますが、私は
天職アドバイザーという顔を持っています。
基本的に法人で活動することが多くなった今としては個人に対してのアドバイスは減りましたが、時折過去の業の延長で仕事を受けます。
株式会社Changeとして活動するのも個人の天職アドバイザーとして活動するのもどちらも似たような活動ですので、この「占い」というフックはどちらにでも使えます。
これまでアドバイスをする中で、私が絶対にこうしたほうがいいと思って助言したことでも、その相手が心の奥まで響かなければ、実行には移しません。
所詮、人から言われることなんてそんなレベル。
人は皆、自分が可愛く、自分が中心にいますので、
的確な指示を受けたとしても勝手に自分の判断を交えて解釈します。
私はその方やその組織を見て分析した上で助言を行います。
私の言ったことを全て実行すれば100%、絶対に、確実に、誰でも成功すると分かってそれを伝えるのですが、受け手の多くはその中からいいと思ったこと30%くらいを勝手に選別し、それしか受け入れて実行しません。
そういう方は基本的に失敗します。
そして失敗してから私にこう言うのです。
「高橋さんの言ったことをやったのに成功しなかった」
このように言ってくる方、もしくは私に直接言わなくても心の中でそう思った方は、確実に言われたことを100%実行していないのに、責任の所在をずらしているだけ。
まぁこれは言われる方(心の中で思われる方)である私にとっても、そんな気持ちになった相手にとっても、いい結果ではないですよね。
この言われたことの30%しかやらない人に対して強烈に言葉を刺すために、この「占い」というツールは使えると思ったわけです。
「この案件は過去の事例や時代背景から見て、今始めると約1年でお荷物になってしまうと思います。やめた方がいいと思いますよ。」
と言うよりも
「この案件は1年後に大きな火種となって災いを呼ぶでしょう。触らぬ方が吉と占に出ています」
と言った方が心には刺さります。
「この人材は今は能力不足かもしれませんが伸び代が非常に大きい。1年我慢してキッチリと育ててあげると、後で必ず化けますよ。」
と言われるよりも
「この人材は将来あなたにとって無くてはいけない存在へと成長します。あなたの魂が共鳴しているのが見えます」
と言われた方が魂に刺さります。
お互い時間を使ってマイナスの結果を産むよりも、言い方ひとつ変えるだけでプラスの結果になる可能性が上がる。
そう思ったら、私には占いというツールはとても必要なツールだと感じたのです。
こうやって占いを交えてアドバイスを行っていると、同業他社はどのように話しているのか?どのように顧客を取っているのか?など気になるようになります。
そうなると、今まで見向きもしなかった街占(がいせん)や宅占(たくせん)などにも足を運びたくなります。
街占、宅占とは?
占い師の占う場所を指す。街占とは街角で露店を出している占いのこと。手相占いが多い。
宅占とは占いの館や占いサロンのような決まった場所を借りて占いを行っている占いのこと。
この2つの並びに、流しで地方行脚などを行う日限り(ひぎり)という種類もある。
私に占いを依頼する方や同業の占い師のアドバイスなんかを見ているとあることに気づきます。
それは、
「占い」と言われる助言の80%くらいは占いではないということ。
業界の外からでは見えない景色も、業界に足を踏み入れることで見えるようになり、中と外を同時に見ることでその業界の縮図や歪み、そして自分が立てるポジションが見えてきます。
占いを学んだ理由や目的の大半を興味が占めていると言いましたが、興味が仕事になり、そして元々の仕事の幅を広げ、新しい世界が見えました。
私は占いができるコンサルタントなのか、コンサルティングができる占い師なのか、受け手によって変わるのです。
世の中で占いと言われているものの80%は占いではない
業界を知っていくとあることに気がつきました。
それは、
占いと言われているものの80%は本当の占いではないということ。
まず占いユーザーに焦点を当ててみますが、
全体の80%は恋愛、仕事、お金です。
「どうやったらお金稼げますか?」
「結婚できないんですけど・・・」
「彼氏と上手くいかないんですけど・・・」
「転職しようか迷ってて」
と、そもそもの質問が自分で分かってることや別に占いに頼らないでも解決できることです。
それに対しての本音はこんな感じ。
「どうやったらお金稼げますか?」
→「働けばいいじゃん」
「結婚できないんですけど・・・」
→「高望みしすぎじゃない?とりあえずマッチングアプリやっとけよ」
「彼氏と上手くいかないんですけど・・・」
→「知らねぇよ」
「転職しようか迷ってて」
→「勝手にどうぞ」
でも占い師は商売で悩みを聞いてますので、それらしい回答をしなくてはいけません。
「どうやったらお金稼げますか?」
→「今の仕事を変えなさい、来年転職するといいですよ」
「結婚できないんですけど・・・」
→「もし積極的に活動しているならこれまであった身近な人の中に将来の結婚相手がいます。あまり活動していないのであれば11月に10人以上と会いなさい、その中にいる可能性が高いですよ」
「彼氏と上手くいかないんですけど・・・」
→「彼との魂の相性を見ると良いと出てます。よく話し合いなさい。心が納得するまで話し合えば分かり合えます。」
「転職しようか迷ってて」
→「●月は転職に向いているタイミングです。転職するなら●月にしなさい」
どうやったらお金を稼げるか?に対しては、今稼げてないからそういう悩みが来るとして、今の環境を変えれば稼げるようになるかも?という部分をさも占いで出たように言います。
他の悩みも同様に、別に占い師でなくてもアドバイスできる内容を、さも占いで出たかのように話します。この中では唯一「転職しようか迷ってて」という悩みくらいが、ちゃんと占いによって導こうとしている回答じゃないでしょうか。
このように、そもそも
占いユーザーのリテラシーに問題があると感じます。
占いユーザーの質問の多くが占い師でなくとも回答できるような質問。なので世の中の80%は占いではないということがわかったのです。
また占い師側の間違いも見受けられました。
例えば手相や人相は過去の行いが現れると言われています。当然過去を見るものであって未来は見えにくい。
タロットカードなどのト(ぼく)占いは右に行けばいいか左に行けばいいかのような短期軸を占うもの。過去や遠い将来は見えません。
四柱推命や星占い系も、長い年月を見るものであるにも関わらず、明日明後日のことを占ったりもします。
ちなみに私のロジックは中国4000年の歴史が生んだ占いがベースで、中長期の運気を見るものですが、お客に明日のことを占ってほしいと言われたら明日のことを占います。
同じように、ほとんどの占い師は、顧客に求められてしまったら渋々なのか嫌々なのか、適切な占い方法でないと分かっていながら、または適切ではないと知らずに正解を導き出そうとします。
まぁ商売だから仕方ないですよね。
こういったように、占い師側にも暗黙の間違いが多々見受けられるので、先のユーザーの利用間違いも含めると世の中で占いと言われているものの80%は占いではないということなのです。
なぜ日本では占いビジネスが1兆円産業まで成長したか?
本当の占いとはなんでしょうか?
守護霊が見えようがオーラが見えようが、複数の占い学を勉強しようが、質問内容に合った手段で占わなければ占いではありません。
逆に言えば、その辺に売っている占いの教本を1冊2冊読んだだけで占ったとしても、ユーザーの質問に合った占い方法で占えていれば、本当の占いと言えると思います。
よく、的中率100%の占い師とかよく当たると評判の占い師と呼ばれる占い師がいます。
これは当たっているのではなく、
当たっているような言い方が得意なだけだと思ってください。
うまいマジシャンと一緒です。
本当に当たるのであれば今頃政府や警察機関が全て囲っているはずです。
そして逃亡中の凶悪犯をバシバシ捕まえたり、未来の事故や災害を予言して平和な世の中に貢献しているでしょう。
本当に能力がある人が、わざわざ「彼氏と仲直りしたいんだけど」みたいなどうでもいいような悩みを占い、1時間数千円から数万円の日銭を稼ぐわけがない。
国から仕事を受ければ、1回占うだけで数10から数100万円は稼げます。
よく当たるとは、そういうブランディングなのです。
ではなぜこんな占いが日本では流行り、年間1兆円ビジネスの産業までに発展したかについて考えてみたいと思います。
さてなぜでしょうか?
答えは、日本人の国民性にあります。
結論を先に言ってしまえば、
決断力がない国民性がこの産業を育てたのです。
「彼氏とうまくいかなくて悩んでて」
「転職しようか悩んでて」
「お金が貯まらなくて悩んでて」
日本人は、こういった悩みこそ占いだ!と思い、占いでなくても解決できることを占いで解決しようとします。
西洋では、このような悩みはどうやって解決するでしょうか?
それは
カウンセラーです。
基本的に西洋人種は自我を強く持っている人が多い人種です。
自分は自分、人は人。そしてレディーファーストのような文化が根付いたように、相手に対してのリスペクトを常に持って生きることができる人種です。
彼氏とうまくいかないで悩んでいる場合、カウンセリングを受け、自分の心の奥底の感情を引き出してもらい、そして最終的には自分で決断し解決します。
もしくは2人でカウンセリングを受け、お互いの内なる気持ちを理解します。
転職しようか悩んでいる場合、カウンセリングを受け、自分の見えていない能力を引き出してもらい、新たな活路を見出します。
では日本人の場合はどうでしょうか?
カウンセリング=うつ病などの病気を治療するもの
という認識が根付いてしまっており、カウンセリングを受ける習慣がありません。
そもそも
多分野でのカウンセラーが少ないように感じます。
それはカウンセラーが増えるよりも先に、民間団体によるライセンスビジネスが横行しているためカウンセリング業界が育っていないというのもあるでしょうね。
そこで登場するのが占い師です。
夜に近所の街を歩けばその辺に街占師が座ってますし、インターネット等で調べれば5分で1000円とかで気軽に受けることもできます。
喉が渇いたからコンビニでお茶を買うレベルに、お腹が空いたから駅前のお店に入るレベルに、占い師はどこにでもいます。
また占いであれば、その分野に対しての知識がなくても結果を導けますし、その人の人生に寄り添わなくても鼻先の情報だけで占えます。
最も、先にお話ししたように「占い」という能力を使わなくても助言ができます。
このように、ファストフード感覚で占いを受けられる環境があるというのがまず1点。
そして先ほど「決断力がない国民性」と言いましたが、これがもう1点目。
日本人は西洋人と異なり、物事を自らで決められない人種です。
カウンセラーに心の奥底の気持ちを引き出してもらえたとしても、
誰かに「やりなさい!」と強制されないと動けません。
この、誰かに指示をされないと動けないというのが日本人ブラッドの特徴なのです。
「やりなさい!」と指示されて動く。これは仕事スタイルでも出ています。
欧米諸国は正社員よりもフリーランスや経営の方がいいとされています。
でも日本はその逆です。
日本人は
誰かに管理され、指示され、生かされてるのが好きな国民性なのです。
何かに迷った時、その分野のプロに聞くことはハードルが高いですが、占いはファストフード感覚で受けられます。
更には、自分では理解できない領域によって導き出された結果から「こうしなさい」と指示されてしまえば、納得せざるを得ないのです。
自分も含めた世の中の80%以上の偽物占い師が占い師として活動できるのも、日本の国民性があってのこと。
占いビジネスとは、日本だからこそお金になりやすいビジネスモデルなのです。
自分が目指すポジションはツルハシビジネス
占いを学び、占いの業界を知り、そして日本の市場が大きくなったルーツを知る。
その上で、自分の立てるポジションはどこだ?と考えた時、やっぱり目が行く先には
ツルハシビジネスでした。
ツルハシビジネスとはお金を稼ぐ手段を提供するビジネス。昔のゴールドラッシュ時代に、金を掘る人対してツルハシや宿、ジーンズなどを販売していた業者が実は一番儲けたという話から、そのようなビジネスモデルをツルハシビジネスと呼びます。
占いは1兆円産業だと言いましたが、当然稼げる占い師もいれば稼げていない占い師もいます。
これだけ占い師が多ければ市場はレッドオーシャンかと思われますが、業界No.1になるのは難しいとしても、ひと1人食べていくだけの金額を稼ぐのは簡単です。
私のメインフィールドはマーケティングです。
お金を稼ぐ方法を提供する人。いわゆるツルハシビジネスマンです。
どういった形でビジネスモデルを確立するかはまだこれから固めていくところですが、この占い業界で最も稼げるのは、占いに来るユーザーからお金を取るのではなく、占い師からお金を取ることなのかなと思います。
その時、占い師に声をかけるオファー文句は既に決まっています。
「私の占いでは、あなたは私と手を組み1年後に今の収入が2倍になっている姿が見えます。一緒に稼いで行きましょう!」
うさんくさ笑