どうも、高橋優太です。
先日Lineに知らない人からメッセージが入りました。
「高橋さん、お久しぶりです。覚えていますか?」
いや分からんし(笑
と思いながら、過去やりとりしていた履歴をさかのぼってみたところ、過去に私が個人事業主として活動していた頃に相談に乗らせていただいていた方でした。
今回はゴール設定の話。
皆さんは夢をお持ちですか?
そしてその夢に向かって、どういう行動を取っていますか?
あなたが今思い描いた夢に向かって、ちょっぴり実現しやすくなるお話をさせていただきます。
Contents
転職ではなく天職アドバイザーという肩書き
先日Lineに知らない人からメッセージが入りました。
「高橋さん、お久しぶりです。覚えていますか?」
どうしよう・・・
アイコンも見覚えがないですし、名前を見てもピンときません。
過去にやりとりしていた履歴があったので、チャンス!と思いさかのぼってみると、
6年ほど前に人生相談に乗らせていただいていたNさん(仮称)でした。
懐かしいと思いつつ
「覚えていますよ。お元気ですか?」
と返し、会話を続けることにしました。
私は以前「天職アドバイザー」という肩書きで活動をしていました。
転職ではなく、天職です。その人に最も適した職をアドバイスするという活動です。
コトバンクによれば、天職とは、天から授かった職業のことだそうです。
あなたの天職を教えてあげるよ!というアドバイスをするとして、天職アドバイザーを名乗っていた時期が過去にあったんですよね。
この天職アドバイザーとして活動していた時期はおおよそ5~7年ほど前。
タイミングで言うと、サラリーマンを卒業するちょっと前から独立してしばらくの間。約2年ほどの期間でした。
私は元々、人材派遣や人材紹介などの、いわゆる人材ビジネス業界でサラリーマンとして活動していました。
サラリーマン生活を10年過ごした後に独立することになったわけですが、会社を退職する1年ほど前から、勝手に個人活動用の名刺を作り、勝手に商売を始めます。
当時「目的は?」「なんでそんな商売してるの?」と聞かれると「何でですかね?」と、質問に質問で返すことが多かった記憶があります。
もちろん理由は固まっていたのですが、あまり活動を公にできなかったのと、本心を言うと小っ恥ずかしかったので、答えをはぐらかしていたんですよね。
天職アドバイザーを開業した2つの理由
なぜこのような活動を始めたのか?
これには2つの理由があります。
1つ目はテストマーケティングとして。
そもそも転職経験がなく、物売りの経験も無ければ(人材ビジネスで取り扱うのは人であってモノではない)、売れるような芸術作品を作れる能力も無し。
世間を知らず、お金の稼ぎ方に対してほとんど無知の状態で30歳まで生きてしまい、そんな状態から、漠然と起業を決意したんですよね。
決意こそしたのですが、正直怖くて仕方がなかった。
会社を辞め、裸一貫で世間に放り出されたとしても、お金を稼げる気が全くしない。
生きていける自信が全くもって皆無だったんです。
なので、元々やっていた仕事の延長で「何かお金が稼げないかな?」と思って始めたのが天職アドバイザーという仕事だったというわけです。
そしてもう1つの理由は自分の正義感から。
人材ビジネスとは、悪く言えば人身売買です。人材業界は労働連と自民党の隠れ蓑です。
彼らの盾となり、ある時は武器となる業界が人材ビジネス業界なのです。
人材会社が行う業務は、企業のニーズに合う人を紹介し、就業した方が離職しないようにサポートをすることです。
当然ビジネスとしてやるわけですから、企業のニーズにアンマッチな人でも、あたかもマッチしているように見立てるための教育をし、送り込みます。
求職者にはキャリアコンサルティングという名の誘導尋問を行い、本人が望まない職場へと送り込み、サポートという名目で、辞めないように監視します。
と、こう言ってしまうと「やば、超ブラックじゃん」と思われてしまいますのでちょっとだけ訂正しますが、
これは一部の話。そうですね、全体の30~40%くらいの話だと思っていただければと思います。
人材会社を利用する企業や求職者の半数以上は、満足して利用していますし、本当にビタっとマッチした際には、心の底から感謝されます。
この感謝を受け取ることができるととても気持ちが良く、それはもう今までの苦労が全てかき消されるほどの感覚を感じることができます。
そうですね、ちょうど100℃のサウナで限界まで耐え、心臓が止まる思いで8℃の水風呂に浸かり、外気浴をすることで快楽の深淵に触れたときに感じる感覚と酷似していますね。
ちょっと業界の悪口を言ってしまいましたが、それでも自分が勤めていた時期に行ったことには誇りを持っていますし、今の日本の社会には必要不可欠な業界であると感じています。
話を戻しますが、この30~40%の、自らの意とは違う選択をしている(させられている)人をなんとかして救いたかった。これが2つ目の理由になります。
1万人以上のデータバンクから未来予知の能力を得る
人はみな仕事をします。
日本国憲法第27条1項「全ての国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」とあるように、
法律で仕事をすることを義務付けられているからです。
もっとも、ほとんどの人は法律で書かれていることを知らず、当たり前のようにやるものだと教えられてきました。
それよりも、仕事をしないとメシを食っていくことができないという理由の方が強いかもしれません。
成人した国民のほとんどが仕事をしているとして、天職、天から授かった職業に就くことができている人はどれくらいいるでしょうか?
*ここでは天職=本当にやりたい仕事、自分に向いている仕事と定義します。
働き方が自由になった今でこそ自分のやりたい職に就くことができる人は増加傾向にありますが、
10年ほど前までは、実に9割近い労働人口がメシを食うために仕事をしていました。
やりたくない仕事でもメシを食うために行い、家族を養うために我慢してやるのが当たり前と教育を受けてきたからです。
私は10年人材業界に身を置いたおかげで、1万人以上の方とお会いしました。
面接官やアドバイザーという立場で1万人以上の方を面接し、3,000人以上の方を採用し、そして同数程度の方を解雇してきました。
老若男女、様々なパターンの人生を肌で感じ、1万パターン以上の人生が自分の脳内データバンクに蓄積されると、少しお話をしただけでその方の5年10年先の未来が見えるようになってきます。
「こう在りたい」「こうなりたい」という願望や夢を持っていても、それが実現するかどうかが見えてしまうのです。
未来もそうですが、話しているうちに、その方の能力の幅や限界までも見えてしまうんですよね。
これは便利な職業病ですよね。
今でこそ感覚は鈍ってしまいましたが、その能力をさらに磨けば占い師にもなれたんじゃないかな?とも思います。
こうなってくると、ある気持ちが芽生えます。
それは自分が見てしまった未来にたどり着いてほしくないという気持ち。
先ほどお伝えしたように、その方とお話をしているとある程度の未来予測ができてしまうので、
「将来は開発チームのプロジェクトリーダーになりたいんですよね!」
「3年後は年収500万くらい稼ぎたいんですよね!」
「この会社で正社員を目指したいんです!」
などと、目をキラキラさせて話してくれても、叶う未来が全く見えない人がとても多い。
「ごめんな、残念ながらそれは叶わないんだよ」
と言ってあげたいのですが、私の仕事は人を企業に送り込むこと。
「うんうん、なれるよ!なれるよ!」
と言いながら、絶対にそうなれない会社を紹介し
「頑張ってるね!このまま頑張れば夢は叶うよ!」
と言いながら、絶対に叶わない夢を追いかけさせる・・・
これって結構辛くないですか?(笑
まぁ仕方ないです。人材ビジネスとはそういうビジネスモデルなんでね。
私が勤めていた会社は中小規模の会社でしたが、大手の人材会社になればなるほど人の気持ちは考えられなくなります。
ただただ売り上げと人数という数字を追わされることになります。
と、このような背景があり、嫌になっちゃったんですよね。
なんとかして自分が見てしまった未来にたどり着かないようにしてあげたいと願い、たどり着いたのが「天職アドバイザー」という肩書きでした。
天職アドバイザーはお金が稼げない
ここからどのように活動していたかについてお話しします。
まずはいつも通り面接を行います。
色々と話を聞いていく中で、3通りの着地を考えます。
1つ目は本人の希望通りの道。
本人が希望する仕事が、能力、経験共にマッチしているときです。
1番理想の形ですね。
このパターンは全力で動きます。クライアントが拒否しても説得して強引に決めます。
結果、お互いから感謝されるパターンが多かったかなと思います。
2つ目は本人の希望しない道。
これは夢も希望もないような人に対してです。
クライアントや自社の利を最優先に考え、本人を説得(納得)させて決めます。
クライアントからは喜ばれますし、自分の成績も上がりますので、サラリーマンとしてはいい仕事をしているということになるでしょうね。
そして3つ目、夢や目標と現実が伴っていない場合です。
こうなりたい!という夢や目標を持ちながら、それに向かう動きができていない人に対して進む道、それが天職アドバイザーです。
面接中に、こっそり「天職アドバイザー」の名刺を渡します。
勤めていた会社の名刺を出して話している時は嘘も言います。
けど天職アドバイザーの名刺を出して話している時は真実だけを語るようにします。
仮に相手を傷つけるような言い方になってしまっても、相手を怒らせるような内容でも、
相手のためを思い、本音でぶつかります。
なんでしょうね。
別にわざわざ2枚の名刺を出さずともそうすることはできたと思うのですが、別の顔を作るということは自分の中の気持ちを切り替えるスイッチだったのかもしれません。
まぁそんな感じで本音をぶつけ、うちの会社では採用しないから他へ行くようにアドバイスした方もいましたし、うちの会社と取引のない会社だけど、その人が採用されるようにサポートしたりしたこともありました。
とにかく自利ではなく他利に100%フルベットして動いていたのが、初期の天職アドバイザーの活動です。
当時受け取った対価は感謝の気持ちだけでしたので、本当に慈善事業ですね。
ただがむしゃらに、自分の正義と経験のために、この慈善事業を続けました。
そして初めてお金をいただいたのは長年勤めた会社を退職し、独立してしばらくしてからのことでした。
この辺の話でもひとつドラマがあるのですが、長くなるのでまた別の機会にお話しさせていただこうかと思います。
Nさんが思い描く未来は何年経っても訪れることはない
「高橋さん、お久しぶりです。覚えていますか?」
と久しぶりに連絡をいただいたNさん(仮称)は、インフラ関連のちょっと特殊な仕事をしている方です。
私が独立したちょっと後にお会いした方でした。
独立後の天職アドバイザーの活動といえば、夢を追いかける人の支援でした。
と言ってもやることはそこまで変わらず、相談と職の斡旋、そしてスクールの紹介です。
私が独立した初期の頃は、起業をするためのビジネススクールのような会社を経営していましたので、必要と感じた方にはスクールへと誘導します。
独立だけが正義というわけでは在りません。
人によってはサラリーマンとして一生企業に仕えるのが天職である場合もあります。
本人が独立を夢見てたとしても、天職が後者であればそちらの道を提案しますし、その逆も同じくです。
Nさんもまた独立する夢を持ち私の元へ訪ねてきたのですが、その夢が叶う未来が全く見えませんでした。
叶う夢かどうか?
これは、ある見方で見ると、簡単に見分けることができます。
(もちろんそれに当てはまらない場合もあります)
まず願うだけで何もしない夢は叶いません。
願うだけの夢は単なる願望です。
漠然と「こうなれたらいいなぁ」「こうなりたいなぁ」と思うだけの夢は、単なる願望でしかないのです。
これで叶ったなら、よほどの豪運の持ち主でしかない。
では叶う夢はどういう夢でしょうか?
夢を実現させるためには、ゴールを設定する必要があります。
夢が実現した地点をゴールに定め、そこに歩く道が見えて、初めて夢に向かって進むことができます。
これを目標と言います。
目標を定めることで初めて、思い描く夢に実現する可能性が生まれるのです。
「高橋さん、お久しぶりです。覚えていますか?」
と連絡をいただいたNさんですが、お会いした頃は願うだけの夢を持って目をキラキラさせていた青年でした。
本気で夢を叶えたいと思っていても、叶え方を知らない青年だったのです。
本気で夢を叶えたくば願望を目標にすればいい。
単純にこれだけです。
彼の思い描く独立するという夢は天職になり得ると判断したので、目標をより明確にし、独立までのプロセスを一緒に考えてあげたのでした。
記念の1枚なのでかなりボロボロ(笑
自分で撮った写真をスマホのアプリで加工し、インターネットで名刺作成をしたので100枚で1,000円です。
アメリカ心理学者ロックの目標設定理論
夢を目標にするということは、実は理論的にも証明されています。
1968年、アメリカの心理学者ロックが提唱した「目標設定理論」によれば、目標設定こそがモチベーションに大きく影響を及ぼすとされています。
簡単に説明すると、まず初めにやることは明確なゴールを定めることです。
これには時間軸と数値軸など、いろんな角度から決めていく必要があり、頭の中で思い描いた際に、どんな角度から見ても鮮明に見えるようにする必要があります。
そして次にそのプロセスを定めます。
例えば、定めたゴールが5年後に年商1億円の会社を経営している自分だとします。
そこから逆算していくと、いつ独立し、どれくらいの売り上げ推移でゴールに向かい、いつ従業員を採用し、取引社数が1年で何%づつ増えていかないといけないかが見えてきます。
とすると、現状サラリーマンとして活動していたとしたら、いつ退職しなければいけないかも見えてきますし、それまでに何をしないといけないかが分かってきます。
目標通りに5年間走り続けられることはありません。
内部的、外部的要因により修正は必須です。
1年や半年周期でリプランニングを行い、5年後の未来に対して修正をかけます。
最後に行うこと、それは軌道修正です。
漠然とした5年後の未来を思い描くより、1年後、1年後よりも半年後、半年後よりも1ヶ月後、1ヶ月後よりも明日・・・
短ければ短いほどハードルは下がりますし、小さな目標達成を繰り返し成功体験を積み重ねることで、モチベーションを維持することができるのです。
これが、アメリカの心理学者ロックが提唱した「目標設定理論」です。
ゴール設定は設定した時点からが本当のスタート
「高橋さん、お久しぶりです。覚えていますか?」
と連絡をいただいたNさんが久しぶりに私に連絡をいただいた理由、それはゴールに向かって進めていなかったからです。
先ほどご説明したように、ゴールは設定して終わりではなく何度もリプランニングしないといけないのですが、
Nさんはゴール設定をしたところで満足してしまい、そこからリプランニングをかけていなかったのです。
リプランニングをかけなかった理由を推測するに、2つの理由のうちのどちらかではないかと感じました。
1つはその夢が本当に実現したいと思っていない、単なる願望だったということ。
そしてもう1つは自分に対しての甘えに負けてしまったこと。
このどちらかです。
私もあれからいろんなことがあり、今は天職アドバイザーという事業はお休みしております。
あれだけ時間を割いてプランを立ててあげたにもかかわらず、また同じことをやって欲しいと言われましたが、今回は完全に突き放してしまいました。
これは半分は「今は天職アドバイザーではないから」という理由ですが、もう半分は親ライオンの気持ちからです。
結局は自分で気づかないといけないことだし、仮に独立したとしても、常に誰かが助けてくれるわけではないからです。
やり方はすでに教えてあります。
私が彼にしてあげられることは、自分でなんとかしないといけないと気づいてもらうこと。そうするように仕向けることだけなのです。
そう思いながらも、最後の優しさでひと言添えて。
以下返信した内容(一部抜粋)
ゴールプランニングは、一度組んだら終わりじゃなく何度も定期的にリプランニングしないとダメですよ。
もしかしたら身の丈に合っていなかった、もしくは覚悟が足りなかったのどちらかなんじゃないでしょうか?
どちらか当てはまる節、ありませんか?
目標が大きい場合、それに対して差し出さないといけないものも大きくなります。
時間なのか、人脈なのか、お金なのか・・・
いわゆる低リスクハイリターンはありえないので、目標の大きさに対して、同等の覚悟は必要ですよね。
決意を新たにするだけでは、何も変わりません。
次会う時は、ぜひ同じ土俵でお会いしたいものです。