過熱し過ぎているNFT市場 -高橋優太

どうも、高橋優太です。

ネットやニュースでNFTというワードを耳にすることが多くなってきましたね。
これをブーム、またはブームの走りという人も多いかと思いますが、実はNFTが注目されたのは今回で2度目なんですね。

職業柄、これからNFT市場に参入したい人から市場についての解説と技術や仕組みの解説、そしてその市場での立ち回りについての相談をよくいただきます。
これからお話しする内容の一部は、「そもそもビットコインって何?」というレベルの人も含めて、すでに数10人以上にお話した内容です。

これから投資やビジネスとして参入を検討している人たちに向けてアドバイスすることはひとつ。
「やめておけ」
です。

今回は過熱しすぎているNFT市場というお話をさせていただきます。

NFTとはデータ改ざんができないデータのこと

そもそも「NFTって何?」というところからお話をさせていただきます。

 

NFTとはNon Fungible Token(非代替性トークン)の略

NFTとはNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことで、ブロックチェーンで管理ができるトークンのひとつです。このNFTとデジタル資産を紐づけることで、デジタル資産の所有者や取引履歴を管理することができるようになります。

マイナビ(Canvas)より

すごいですね、転職サイトで有名なマイナビの運営するwebサイトですらNFTに関する話題を取り上げています。

NFTとは、Non Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)の略だそうです。
初めて知りました。

NFTの基盤となる仮想通貨業界に約5年間どっぷり浸かっているのにもかかわらず、この記事を書いていながら初めてNFTが何の略なのかを調べ、そして知りました。

それくらい、言葉の意味はどうでもいいということです。

このNFTというワードを耳にしたことがある人はおろか、NFT取引に触れたことがある人や、敷いては自身のコンテンツをNFT化したことがある人ですら、このNFTが何の略なのか知らないまま口に発している人は多いと思います。

それくらい言葉の意味よりも、今まさに流行っているという事象の方が大事であるということなのです。

 

NFTという概念を小学生でもわかるように解説

では皆さんがその言葉の略すら知らずに口にしているNFTとは何か?というお話をさせていただきます。
より詳しく知りたい方はインターネットで調べていただければと思いますし、これからお話しする内容に異論がある方は、どうぞ申し出ていただければと思います。

私が説明する時は、基本的に小学生でもわかるように説明することを心がけています。
そのため、理解をさせることに重点を置くことで、時にはウソをも交えながら解説をすることもあるからです。

本題に戻ります。
NFTとは何か?ですが、
簡単に言ってしまえば改ざんすることができない仕組みに、改ざんできてはまずいデータを保管することです。

この「改ざんすることができない仕組み」とは、ビットコインで有名になったブロックチェーンという技術のことを指します。
「改ざんできてはまずいデータ」とは、IP(知的財産)や誰が所有しているかなどのいわゆる権利のことを指します。

NFTとは、この権利をデータ化したものの総称なのです。

その権利をデータ化したものが、なぜ話題になっているか?というお話ですが、
この改ざんしてはまずい様々な権利をオンリーワンのデータとして保管し、そのデータ(権利)を世界中の誰とでも、自由に、CtoCで売買することができるマーケットが急激に増え、それが今話題になっているということなのです。

 

セクシー女優のNFTが1億6,000万円で落札


Business Journal -開始7分で1億6千万円超?セクシー女優・波多野結衣の“暗号資産”に殺到した中華圏富裕層

このニュースは業界を震撼させただけでなく、業界外にもNFTの名を知らしめることになりました。

AV女優の波多野結衣さんが、3,000枚のトレーディングカードをNFT化し販売したところ、即完売し、落札金額の合計額が1.6億円を超えたという話です。

トレーディングカードのデータが、ですよ?
こんなのインターネットで画像検索して右クリックし、名前をつけて画像を保存すれば、誰でも無料で10秒ほどでカンタンに手に入れられてしまいます(笑

どんなに波多野結衣の大ファンだったとしても、無料で手に入れられるものを数千万円払って買うか?と言われるとどうでしょうか。
みんなの前では「オレは買うよ」と言っている人でも、裏でコッソリ無料で保存していると思います。

購入したのは主に中国人。中国はアダルトコンテンツを見るだけでも違法という国ですが、特に日本人のセクシー女優は絶大なる人気を誇ります。
だとしても、データに1億以上の価値があるか?と言われると怪しいところですよね。

なぜ波多野結衣のNFT化されたトレーディングカードに1億6,000万円もの値が付いたかと言うと、投資として価値があると見られたからです。
特に中国を中心に世界的なファン数が圧倒的に多い有名人が、ブームになる直前のNFT市場で限定コンテンツを出し、それを見た投資家が、市場の拡大と共にプレミアムが付くと判断し購入した。
こんな感じですね。

このニュースが出た辺りからNFTの波が一気に大きくなり、元々NFTを取り巻く業界である仮想通貨業界以外を巻き込んでブームとなっていったのです。

これ以降、このような有名人やアーティストなどによる参入が急激に増え、黙っていられなくなった大手企業が参入し始めました。
これによりお茶の間のニュースや新聞、その他マスメディアなどでも耳にするようになったという流れです。

先ほど説明した「NFTとは改ざんすることができない仕組みに、改ざんできてはまずいデータを保管すること」という説明だけではここまで広がることはありませんでしたが、市場にも理解できる「NFTというデジタルデータを発行すればお金になる」という誰でもイメージしやすい事例が、このブームを巻き起こしたのです。

後でまたご説明しますが、今流行っているものの代表的なコンテンツは、先ほどのトレーディングカードのようなものから現代作家達が手がけるデジタルアート(静止画系、動画系など)、有名キャラクターをデジタル化したもの、有名楽曲のデジタル化などがあります。

新規参入を諦めさせるコンサルティング

ちょっと話は逸れますが、私は2017年より仮想通貨市場で活動する方々のサポートを行ってきました。
投資として参入しようとする方に対してはオンラインサロンという形で情報を提供し、ビジネスレイヤーで参入しようとする方(企業)に対しては、コンサルティングや技術開発、マーケティング、広告運用などでお手伝いをしてきました。
国内外、ベンチャーから大手企業まで、その対象は様々です。

その中で一貫してお伝えしていること。それは「やめておけ」です。

私がなぜこれから参入しようとする方に対して、出端を折るようなアンサーをぶつけるか?
それは、ほぼ全ての方が加熱しているからです。
過熱している、それどころか過熱しすぎて沸騰した状態でサポートを求めてきますので、それに対しては真摯に、正直に、「やめましょう」とお答えします。

この過熱した状態を言い換えると、ノーリスクハイリターンで参入し利益を得られると思っている、という言い方にもなります。
ローリスク(低リスク)ではなくノーリスク(無リスク)です。

当たり前のように誰もがわかることですが、世の中そんな甘い話は無いでしょう(笑
でも彼らはノーリスクでハイリターンが得られると錯覚しています。
そしてそれに気づかないでいます。

これはもう、目を覚ましてあげないとかわいそうですよね。

私が行うコンサルティングやアドバイス、サポートは、対価を頂きながら参入を諦めさせるコンサルティングやアドバイス、サポートなのです。

と言ってしまうと「なんだこいつ、危ないやつだな」と思われるかもしれませんが、基本的にこのノーリスクハイリターンを求めている人には、まずはこの辞めさせるアドバイスから入ります。
その上で、それでも動きたい人に対して、その人が動きたい形で確実に成功する方法を提案します。

先ほどからリスク、リスクと言っていますが、
このリスクの中には金銭的なリスク時間的なリスク法律的なリスクなど、様々なリスクが含まれます。
このどれも取ることができない(差し出せない)人のことをノーリスクだと、私は定義しています。

お金というリスクが出せない人。これはわかりますよね。
一瞬たりとも1円もマイナスになる時間を作りたく無いという人です。

時間的なリスクが出せない人、これはどれだけ自分の時間を割けるかという話です。
自分1人しかメンバーがいないにも関わらず自分の時間を全く割くことができない、割きたく無いという人です。

法律的なリスクを取れない人、これは必ずしも違法をしろという話ではなく、どこまでグレーゾーンを触れるか?という話です。
新規産業は必ずと言って法整備がなされていません。いわゆるやっていいか悪いかが明確ではなく、似たような産業の法律を引っ張ってきて何となく合法違法を判断します。
時には似たような産業では合法なのに、この業界だけ違法になるケースなども多く存在します。
このような状況下で、グレーな部分(方が定まっていない部分)は触りたくないという人のことを指します。

他にも様々な角度でリスクは存在しますが、どれだけリスクを取れるか、結局何を差し出せるか?によってリターンは変わってきます。
要は、何も差し出さないでもらうものだけ貰おうとするのは無理だよね?ということを、理解させる。
これが私が行うコンサルティングの入り口であり、その上でどこまでリスクを取る(差し出せる)ことができるか?を一緒に考えることが「辞めさせるコンサルティング」の真意なのです。

今のNFT業界は欠陥だらけで使い物にならない

仮想通貨ブームでは
仮想通貨投資始めたいんだけど・・・
コインを発行したいんだけど・・・
プラットフォームを開発したいんだけど・・・
などの相談を受け、そして今のNFTブームでも同じような相談を受けています。

相談の角度としては投資、ビジネス参入様々です。
投資という角度で入りたい人の中でも、お金だけ持っていてコンテンツの売買で利益を得ようとしたい人や自身のコンテンツを売って利益を得たい人など様々ですし、ビジネスレイヤーという角度でも、コンテンツホルダーなどの利権保有者や何もコンテンツを保有していない人など、本当にいろんな方が目をつけて参入時期を伺っています。

先ほど冒頭でNFTとは?という概念中心のお話をしましたが、ここから先、少し今の市場の実態について触れていきたいと思います。

まずは市場全体のお話になりますが、世の中にはオンラインショッピングができるサイトはたくさん存在しますよね?
有名なところでは、国内ではAmazonがあって、楽天市場があって、Yahoo! ショッピングがあります。
また海外ではAliExpress、eBay、淘宝(タオバオ)などが存在します。
さらに個人売買が可能なサイトで有名なものとして、国内だったらラクマやヤフオク、メルカリなどがありますよね。
NFTではここまで大きなサイトは未だ存在していませんが、イメージとしてはこんな感じで、誰でもアカウントが作れてNFTを売ったり買ったりできるショッピングサイトが世の中に複数存在しています。
これがNFT市場全体の構図です。

このNFTが売買できるショッピングサイトそれぞれに、冒頭で説明した「改ざんできない仕組み」が入っているのですが、メリットとしては当然改ざんできないことが挙げられます。
ただデメリットとして、「一度入れたら取り出せない」ということが挙げられます。

詳しく説明しますと、NFTが売買できるショッピングサイトが3つあり、それぞれプラットフォーム①、プラットフォーム②、プラットフォーム③という名前だとしましょう。

冒頭では、改ざんできない仕組みはブロックチェーンという技術から成り立っているというお話をしましたが、プラットフォーム①②③をそれぞれ1つの輪っか(丸いチェーン)だと思ってください。
ブロックだとチェーンだとか言われてもイメージが湧きづらいかと思いますので、チェーン=輪っか、で大丈夫です。
この輪っかの中にNFT化したデータを入れることで、初めて唯一性が証明されます。

この輪っかとなっているプラットフォームは、輪っかの中にデータが存在することで、そのデータを誰が所有しているとか、いくらの価値がついているとか、誰から誰に渡ったとかが証明されます。
しかし輪っかの中から取り出してしまうと、唯一性は認められなくなります。
その先に、そのデータがどうなったかまでは追えないからです。
更には、取り出したとしてもこれまでの履歴は消去することができません。
厳密に言えば、取り出す行為はできずそのデータを消滅させることで取り出したこととみなします。

これが「一度入れたら取り出せない」という理由です。

ここまでを聞くと、仮にあなたがコンテンツを持っているアーティストだったとしたら、このように想像すると思います。
「じゃあプラットフォーム①で売れなかったら一度取り出して②に移せばいいんじゃない?」

そうですよね。
ラクマで売れなければ出品を取り消してメルカリに出品すればいいですもんね。

ただ、今のNFT業界では、それができないのです。
多くのプラットフォームは技術的に取り出す機能を持っていなく、また技術的にクリアできたプラットフォームが存在したとしても、それをユーザーが自由にやることを未だ認めていません。

・プラットフォーム①の輪っかと②③の輪っかは独立している
・それぞれの輪っかを連結させることができない
・もし今後連結させる技術が生まれてもプラットフォーム側は運用に悩む

これが現在のNFT業界の「欠陥」です。

一度NFT化したものが売れなければそこで終わり。
転売目的で買ったものが売れなければそこで終わり。
プラットフォームが事業を辞めてしまえばそこで終わり。
です。

プラットフォームがユーザーをたくさん抱えてくれないと流動性は生まれませんし、そのユーザーの属性の偏りによっても売れる商品と売れない商品が大きく分かれてしまう。
いわゆるプラットフォーム完全依存体質なのが今の市場なんですね。

そしてもうひとつ、取り出せないことと同じくらい大きな欠陥があります。
それは利用価値が確立されていないこと。

で、NFTって結局何に使うの?
です。

例えば有名作家の絵画(現物)を100万円で買ったとしましょう。
観賞用としては自宅やオフィス、店舗などで飾っておけますよね。
転売する時も、質屋やら競売やらに持っていけば目に見える形で査定ができ、売ることができます。
2次利用、誰かに貸してレンタル料を取ることも簡単にできます。

しかし同じ作家のNFT作品(データ)を100万円で買ったとしましょう。
飾るのは・・・PCの待ち受け?
でも待ち受けにするだけなら、インターネットで無料でダウンロードして使えてしまいます。
転売するのは・・・先ほどお話ししたプラットフォーム内だけ。
そして2次利用に関する仕組みですが、どのプラットフォームでも未実装です。

果たして本当に100万円の価値はあるのでしょうか?

このような感じで、NFTを取り巻く業界には多くの課題が存在します。
他にも手数料が高い問題や保管に関する問題など色々な欠陥があり、細かくは割愛させていただきますが、こんな状態なのに現物よりも高い価値がついているのが現状です。

ブーム(流行)という津波は3度に分けて押し寄せる

今、NFT業界は空前のブーム真っ只中です。
この「ブーム(流行)」という部分に着目してみましょう。

ビジネス観点からブームについて解説をすると、新しいもの、新しい規格などの、いわゆる流行というのは3回に分けて波ができると言われています。

自然災害の地震でも、まず余震のP波が来てその後に本震のS波が来るように。
津波でも余波が来てその後に本体が来るように。
ブームについても同様に、複数回に分かれて盛り上がります。

この動画がわかりやすく解説してくれています。

まず真っ先に頭のおかしい奴が踊り出します。
周辺からは「バカだなこいつ」という目で見られています。
しばらくすると、それが「面白そう」「かっこいい」などと思った人が現れ、第2陣として参加します。
第2陣の人たちは、「やってみたら面白いぞこれ」「すごいぞこれ」と周囲に伝え、やがて群衆を動かします。

どのビジネスも、この形が一般的です。

この3波を企業規模で例えると、真っ先に踊り出す1陣がスタートアップ企業、ベンチャー企業です。
そして2陣が中小企業。そして3陣に控えているのが大手企業です。

ベンチャーは失敗しても気にしないし、失うものも少なく、なんでも果敢にチャレンジができます。
中小企業はある程度の世間の目がありつつも、軌道修正の舵取りが効きやすいギリギリの規模で企業運営をしていますので、多少のダメージがあったとしても、会社を大きくするためのチャレンジは可能です。
ただし大手は失敗は許されません。
失敗した場合はニュースにデカデカと出てしまいますし、上場していれば株価も暴落。従業員も何千人規模でリストラしなくてはいけなくなったりと、失敗に対するリスクが大きすぎてチャレンジできない状況にあります。
ベンチャーが動くような業界には、決まって法整備もされていませんしマーケティングのセオリーが効かないケースは多々あります。
こんな状態じゃ、大手は動けないですもんね。

ただし逆を言えば、大手は莫大な予算を持てます。
なので動員させられる規模が圧倒的に大きく、大手が動けば国民全員を動かすことは容易です。

3回に分かれる波は「波」ですので、当然波が立たない時期もあります。
バイオリズムのように大きくなり(上振れ)小さくなり(下振れ)て、結果的に3度の波を作ります。
これは、流行って廃れて、流行って廃れて、流行って廃れる。ということを意味します。

今NFT業界には、続々と大手が参入してきています。

国内ではGMO、楽天、メルカリ、三井不動産、スクエア・エニックス、バンダイナムコアーツ、集英社、プロ野球パ・リーグ・・・
海外ではメタ(Facebook)、AP通信、IOC(国際オリンピック委員会)、マクラーレン、ルイヴィトン、アディダス、全豪オープン・・・

でも先ほどの波で言うと、実はまだ第2波なんですよね。

NFTの1度目の波は2017年から2018年にかけて起きました。
これはブームになりかけましたが企画段階、いわゆるアイディアレベルで盛り上がっただけで廃れました。
そしてそこから3年後の2021年、2度目の波が起きました。
セオリー通りであれば、この時期には中小企業レベルで盛り上がり、企画からある程度の形になり、問題を残したままそれが解決できずに廃れる。
そして更に3年後の2025年から2026年辺りで大手が参入したがるような第3の波が立つ予定なんです。

この2つ目の波に大手が参入することは、どちらかというと異例の事態です。
これを踏まえても過熱しているという表現は当てはまるのです。

やっぱり過熱しているNFT業界

このまま2波と3波が間髪入れずに押し寄せてくれば本物。先に説明した「NFT業界の課題」がクリアされた状態で世の中に根付きます。
ただしこの波が単なる過熱した2波だったとすれば、なんらかの形で廃れることになるでしょう。

今このNFT業界が過熱しているのか、それともすでに3波が押し寄せてきているのか。
未来は誰にもわかりません。

最後になりますが、これを踏まえた上で皆さんができることをお伝えさせていただきます。

それは「旬は旬のうちに触ること」です。
NFT業界は今が旬(ブーム)であることは誰しもが分かる事実。であれば乗り遅れないように今すぐに乗ることで、その恩恵を受けることができます。

この意味、分かりますか?

分からない人のために言葉を付け加えますと、
旬は旬のうちに触り、旬のうちに撤退すること
です。

今の波が2波であっても3波であっても、盛り上がっているうちに参入し、盛り上がってるうちに撤退すれば確実にリターンを受けることができます。
大切なことは固執しないこと、それといつまでも旬であり続けることは無いと理解すること。
この2つです。

さぁ、まずは1歩、前に足を踏み出してみましょう!