オンラインが根付いた現代におけるコミュニティ経済の重要性 -高橋優太

どうも、高橋優太です。

「オンラインが根付いた現代におけるコミュニティ経済の重要性」というなんとも堅苦しいタイトルでスタートした今回のコラムですが、中身はそんなに難しい話ではありません。

このアベンチャーズというコミュニティを運営し、また他のコミュニティのコンサルティングを行なっている中で気づいたこと、現代におけるコミュニティの在り方、そして未来の在り方についてお話しします。

サードプレイスを既にお持ちの方はもちろん、自分に合うサードプレイスをお探しの方にぜひお読みいただきたいと思います。

時代に合わせた形へと変化するコミュニティ像

世の中には様々なコミュニティが存在します。

インターネットが普及する前までは地域に密着した小さな集団でしかなかったこのコミュニティと言われる集団ですが、インターネット普及により全国へとその範囲は広がり、そして世界中のどこにいても集団に加わることができるような世の中になりました。

またハードルも下がりましたね。
過去の地域密着型でしか形成できなかったコミュニティは、人見知りの性格や世間体を気にする若者世代は参加しづらく、人生経験を成熟させた年配の方を中心に広がっていました。
しかしインターネットにより「匿名」の部分が強化され、誰でも簡単に参加することが可能となりました。

これにより、自分の所属したい集団に自由に所属でき、そしてまた離れたい時にも自由に離れることができる。そんな便利な形へとコミュニティは進化し、オンラインへとそのフィールドを移していったのです。

今や、何かしらのオンラインコミュニティに参加していない人の方が少なく、1つ以上のオンラインコミュニティに所属することが当たり前の世の中になりました。

これを読んでいただいている皆さんは何気なくコミュニティに所属をしている方がほとんどかと思いますが、このコミュニティを現代ではサードプレイスと定義づけられます。

サードプレイスとは心の拠り所

まずはサードプレイスという言葉の定義です。

サード・プレイスとは、コミュニティにおいて、自宅や職場とは隔離された、心地のよい第3の居場所を指す。サード・プレイスの例としては、カフェ、クラブ、公園などである。

wikipediaより

Wikipediaによれば、サードプレイスとは「心地のよい第3の居場所」とされています。
サードというくらいですので、当然ファーストとセカンドもあります。

ファーストプレイスとは家族や親族など、血縁の集団を指します。
そしてセカンドプレイスは学校や職場、いわゆる公共の集団を指します。

サードプレイスは家族でも学校でもなく、自分が自由に選択して参加することができる集団のことなのです。

Wikipediaにも書かれていますが、このサードプレイスに含まれる場所としてはコミュニティだけに限ったものではなく、独りで行くカフェや公園なんかも同類とされています。
ただし前段でもお話ししたように、サードプレイスはインターネットの普及によりオフラインからオンラインへとフィールドを移し、今の時代に合う形へと進化しています。
気の許せる友達との輪は日々対話するメインのフィールドをLineグループへと移し、趣味や学びの輪もまたwebサイトやSNS、アプリといったオンラインへと移しています。

今やスマホやPCを持っていなくてはコミュニティにすら参加できない時代になってしまったのです。

ストレス社会の特効薬はGABAではなくオンラインコミュニティ

さて前置きはこれくらいにして、なぜ今の世の中にサードプレイスが必要なのか?というお話をしたいと思います。

オンラインコミュニティの用途は攻めと守り

人々がサードプレイスを求める理由
・情報収集のため
・人脈形成のため
・孤独感の解消のため
・メンタル維持、またはリセットのため
・自分の存在意義の確立、または確認のため
・心の支え

人々がサードプレイスを求める理由を言葉にするとすれば、この辺りの表現が適切でしょうね。

特に、近年では趣味嗜好の十人十色化が進んでいます。

昔はみんながやっていることを真似てやる時代、有名人やリーダーがやっていることが正しいとされるという時代でした。
しかし今は「自分は自分、他人は他人」という考えが当たり前。
個人のパーソナリティが尊重される時代であり、また個人のパーソナリティが無いとダメとさえ言われている時代です。

現代に生きる人々は、知らず知らずと個人のパーソナリティを確立するために、時代にあくせくと活動させられています。
このあくせくと活動してパーソナリティを固めようとする姿は、誰しもが大っぴらにはしたくないもの。
匿名で参加できるオンラインコミュニティは、まさに自分が努力している姿を隠せる最高の場所なのです。

更に、オンラインコミュニティは誰でも、何箇所でも、いつでも、簡単に所属することができますので、必要によって使い分けることもできます。
自己研鑽用にオンラインコミュニティに所属する。
そしてその裏側では自分の弱さを慰めてもらえそうなオンラインコミュニティに所属する。
いわば、「攻めと守り」のどちらにでも使い分けることができる最強の場所がオンラインコミュニティなんですね。

ストレス社会は闘わず逃げるが勝ち

今のストレス社会に生きる現代人は、例外なく皆疲れています。

何に疲れているか?

仕事に追われて疲弊している?
友人関係に気を遣っている?
老後が不安?
他者と比較させられている?

全て正解ではありますが、もっと大きな概念。そう、「時代」に疲れているのです。

話が逸れてしまいますが、少し多重人格者の話をさせていただきます。

世の中には多重の人格を持つ人間が存在しています。多重人格とは、正式には解離性同一性障害と言います。
多重人格者は、生まれながらにして複数の人格を持っているわけではありません。
幼少期や過去に嫌なこと、例えばいじめや虐待、災害や事故、事件などがあり、その事象のトラウマから2つ目(またはそれ以上)の人格を持つとされています。
現状から逃げたい、目や耳を塞ぎたいという気持ちが頂点に達した時、人が持つ防衛本能により精神の世界で人格を分離し、嫌な部分を担当してくれる人格を作り上げます。

さて話を本筋に戻しますが、コミュニティの話の流れで多重人格の話をしましたが、すでに何が言いたいかお分かりの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そう、このストレス社会はすでに多くの多重人格者を産んでいるということなのです。
しかも「自我を保ったまま」という状態で。

オンラインコミュニティは匿名で、かつ参加も離脱も自由だと言いました。
この形は、自身の新しい人格を自由に作れます。
多くの方が、オンラインコミュニティ内では本名とは別の名前(ハンドルネーム)を名乗ります。
話し口調を変えて発言する人もいれば、普段は内気な性格にも関わらずオンライン上では180度真逆の社交的な性格に変わる人もいます。
内向的な性格の人間が攻撃的な人間に変わることもあります。

オンラインでは素の自分とは別の人格を自由に作ることができ、また失敗したらリセットすればいいだけ。
匿名が担保されたオンライン上では人生のリセットは容易です。
いくらでも新しい人格をチャレンジでき、理想の自分に辿り着くことができるのです。

もしもオンラインで活動できる世の中でなければ、ストレス社会の重圧に耐えきれずに多重人格や様々な精神疾患を患う人は今以上に多かったでしょう。
オンラインというフィールドが逃げ場となり、救われた方は多いと思います。

私もそのひとりかもしれません。

すでに自身のサードプレイスをオンラインコミュニティ中心となっている人は、知らず知らずとストレス社会から逃げる場をオンラインに移し、自我を守るために活動しているのです。

私は、この進化・発展はいい意味で凄いことだと思います。

当然この進化が悪いという見え方もできますし、悪い面についてはあえて割愛しましたが、まずはこの現状を認識していただき、今のこの形を有効に活用してほしいと思います。

オンラインコミュニティの終着地点は独自経済圏

私はオンラインコミュニティを運営する立場であり、また運営する人をサポートする立場でもあり、そして参加するメンバーという立場でもあります。

私は様々な角度からこのコミュニティという集団を見て、その在り方について、日々研究をしています。
その理由は、1番はこのAventures(アベンチャーズ)の繁栄のためですが、個人的にコミュニティ文化がどう進化していくかに興味があるから。という理由もあります。

コミュニティの存在意義は、前段でお話ししたサードプレイスという役目です。
これまでなぜサードプレイスなのか、なぜサードプレイスの立ち位置にならないといけないのかについてお話ししてきました。

でもこれは過程の話。ゴールはまた別にあると考えます。
サードプレイスとなったコミュニティは世の中に溶け込み拡大していきます。
溶け込んだ先にあるべき姿。コミュニティのゴールは経済の確立です。
コミュニティは、コミュニティ経済圏を作るために拡大していきます。

この形に向けてコミュニティは日々進化しています。
そしてそうならないといけない時代でもあるのです。

マーケティング用語で言うならば、サードプレイスという役割がKPI、そしてコミュニティ経済という役割がKGIです。

KPIとは
政府、企業、団体、個人などが一定の目標達成に向かってそのプロセスが順調に進んでいるかどうかを点検するための、もっとも重要な指標。経営学から発生した概念で、英語のKey Performance Indicatorの略語である。

wikipediaより

KGIとは
政府、企業、団体、個人などが達成すべき最終目標を定量的に表した指標。経営学から発生した概念で、何をもって目標達成のゴール(成果)とみなすかを重視する考え方から生まれた用語である。英語のKey Goal Indicatorの略で、日本では「重要目標達成指標」「経営目標達成指標」と訳されることが多い。

wikipediaより

サードプレイスというポジションになることは過程でしかありません。
ゴールはコミュニティ経済で、それに向けてコミュニティは日々進化しています。

コミュニティという小さな枠組みの中だけで経済が循環する

これぞコミュニティの終着地点だと思います。

世の中がストレス社会と言われる理由のひとつに「信用」という問題があります。
スーパーで売られている食品のラベルに書かれていることが疑わしかったり、ネットで商品を購入したら全く別の商品が送られてきたりと、様々な不安を抱えなくてはいけない状態を余儀なくされています。

この信用問題における不安を解決するために、コミュニティは存在します。
またそうでないコミュニティも、今後はこの目的も兼ねた形で繁栄しなくてはいけないし、そう願わずとも、自然とそうなっていくと思います。

例えば友人が飲食店を開業したとしましょう。
基本的には行きますよね?そしてもし仮にめちゃクソまずかったとしても、怒鳴り散らすほど文句は言いませんよね?
それは応援するという気持ちから、行動をとったからです。
出された料理がめちゃクソまずかったとしても、感情は怒りではなく「頑張れ!」「今度は美味しい料理作れよ!」という応援の気持ちに変わり、マイナスに働く行動は取りません。

しかしどうでしょう。テレビで特集されていたお店や、有名人が経営しているお店に行ったとして、出された料理がクソまずかったら。
おそらく友人やSNSなどでネガキャンを行うと思います。
あの店はまずかった。テレビで言うほど美味しくなかった。と。
ここには応援の気持ちはない(あったとしても希薄)ですからね。思った感情がダイレクトに溢れ出ます。

こういうケースもあります。
近所に1杯500円前後で飲めるBARがあったとしましょう。
そして友人が、その隣に1杯800円前後で飲めるBARを開業しました。
誰がみても最初からあった店の方が安く飲めるにもかかわらず、あなたが飲みに行くとしたら友人のお店を選ぶはず。
やはりここには応援の気持ちがあるから、です。
さらには、単なる「飲める場所」から「飲めて、友人がいる場所」へと変わることで、あなたにとって上位互換になり得るサードプレイスに変わるというのもあるでしょうね。

そこにはプライスレスな価値が隠れています。

今の世の中が信用の上に成り立つ経済だとするならば、ある程度積み上げた信用を元に商売をやった方が圧倒的に優位に立てます。
先ほど挙げた例は飲食店と客という立場ですが、ビジネスの付き合いで仕事を振り合う関係だったとしても、ネット検索や営業から繋がった取引先よりも圧倒的に知人・友人が経営する(所属している)会社の方が優位に立てます。
それはお互いに「応援」の気持ちがあり、下積みされた「信用」があるからです。

コミュニティのオンライン化は、この関係を全国規模だけでなく世界規模まで広げました。
そしてオンラインコミュニティは趣味や思想、学びなど様々な共通点1点だけで簡単に繋がれるので、直接会うことなく最低限レベルの信用の下積みがすぐにでき、そしてその最低限レベルの信用を得た人をたくさん作ることができます。

コミュニティの利用価値はサードプレイスだけにとどまらず、生活の一部としても利用できるようになりましたし、今後なくてはならない存在へと確実になっていくでしょう。

ストラクチュアル・ホール理論を理解する

今現在コミュニティ経済に生きている方、または今後生きようとする方に向けて、絶対に理解しておいた方がいい考え方を紹介させていただきます。

それはストラクチュアル・ホール理論(structural holes /構造的な隙間)です。
詳しくはググってもらえればと思います。
*ただし検索しても解説記事は少なめです

まずはこちらの画像を見てください。

画像引用: ProgLearn;

Aの図を見ていただきたいのですが、人と人の間にある線はつながりを意味しています。
相関図的な感じで見てもらうとわかりやすいかもですね。

さて、この中で最も優位な立場に立てる人は誰でしょうか?

答えはDさんです。
E、Fさん側の群衆と、G、Hさん側の群衆は、Dさんを通じないと交流をすることができません。
このAの図の全ての人を最もコントロールしやすい立場にいるのは、唯一Dさんだけなのです。

簡単に言えば、あなたもこのDさんの立場になった方がいいよ!
というおすすめです。

例えばあなたがコミュニティA、B、Cの3つのコミュニティに所属していたとしましょう。
そしてコミュニティAのメンバーのひとり(仮称Y氏)が何か新商品を作り、それの販売経路を探していたとしましょう。
Y氏はあなたを通じればコミュニティB、Cにアプローチすることができますが、あなた無しではコミュニティB、Cへとアプローチはかけられません。
しかもあなたを通じることで、あなたの下積みされた「信用」をプラスした状態でリーチをかけることができます。
逆に新商品の販路を広げたがっているメンバーY氏にもメリットがつきます。それはあなたの下積みされた信用を持った方にリーチすることができるため、見ず知らずの人に売るよりもはるかにクオリティの高いアプローチをかけることができるのです。

Aの図のDさんの優位性、わかってきましたね?
なぜDさんが最強なのか?という理由は他にもありますが、それはまた別の機会でお話ししたいと思います。
というかアベンチャーズ内で定期配信をしている「高橋優太のイノベーションTRIP」にて詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。

とにかく、コミュニティに生きるのも、コミュニティを使って何かビジネスを行うのも、全てこの理論を理解し、常にDさんの立場に立てるよう動くことで、最大限のリターンを得ることでできるということです。

これをちゃんと理解していれば、ブローカー業という仕事で莫大な利益を作ることだってできます。
突き詰めるとコミュニティの話に止まらなくなってしまいますが、マジでこの考えをちゃんと理解することをお勧めします。

アベンチャーズ経済の確立を目指して

今回は今後の世の中で、コミュニティがいかに重要かについてお話ししました。
我々アベンチャーズも今を走るコミュニティであり、サブタイトルに「100歳を過ぎても〜」と入っていますので、この流れには乗っていかないといけません。

少しづつですが、経済圏の確立を目指してインフラ整備しておりますので、会員の方は楽しみにお待ちくださいね。

あ、そうそう、その活動の第一弾として、会員さんが開発したオーガニックコスメの販売提携をしましたので共有させていただきます。

自分も利用していますが、本当にいい商品です。
特に自分は頭皮油分が多い体質で、普通にしていても頭皮が荒れてしまいます。
しかしこの商品を使用している間は、かなり調子いいんですよね。

ぜひ使用いただき、感想を教えてください。

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